2021.02.10

SMSマーケティングを行う場合に必要なオプトインとは?(SMSマーケティングと特定電子メール法)

目次
オプトイン規制とは?
オプトインが必要なSMSとは?
特定電子メール法に基づき求められる同意とは?
事前の同意がなくてもSMSを送信してもいい?(オプトイン規制の例外)
まとめ

オプトイン規制とは?

Eメールを活用したマーケティングを担当されている方であればご存知の方も多いと思いますが、広告宣伝を目的としたメールを送信する場合には、特定電子メール法という法律の規制をクリアしなければなりません。

総務省が公開している「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」という資料にもSMS(ショートメッセージサービス)が特定電子メール法の適用対象になりうることが明らかになっているので、SMSを活用したマーケティングを行う場合には特定電子メール法を遵守して実施することが必要です。

この特定電子メール法の規制の中で、最も重要な規制が今回お伝えする「オプトイン規制」です。

「オプトイン規制」とは、広告宣伝のための手段として電子メールを送信する場合には、原則として、そのメッセージを受信する相手方から事前に同意を得なければならないという規制です。

オプトインが必要なSMSとは?

特定電子メール法によりオプトインが必要になるのは、送信をするSMSが特定電子メール法で定義される「特定電子メール」に該当する場合です。

「特定電子メール」とは、「営利を目的とする団体及び営業を営む場合における個人」である送信者が「自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信する電子メール」です。

これだけ見ると少しわかりづらいですが、要するに広告宣伝のために送信される電子メールが「特定電子メール」に該当します。

具体的な例を出しますと、左のメッセージのようにメッセージの本文に広告や宣伝が含まれる場合には「特定電子メール」に当然該当します。このような場合だけでなく、右のメッセージのように広告や宣伝をしようとするウェブサイトへ誘導することが目的となっているメッセージも「特定電子メール」に該当します。

このようにSMSでマーケティングをしようとする場合には、ほとんどの場合で「特定電子メール」に該当するので、送信の対象となるお客様からオプトイン(事前の同意)を取得しなくてはならないことになります。

特定電子メール法に基づき求められる同意とは?

それでは、特定電子メール法において「同意が取得されているか」ということは、どのような場合をいうのでしょうか。

「特定電子メールの送信等 に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」といいます。)によれば、「同意」とは、「他の者がある行為をすることについて、賛成の意思を表示すること」とされています。

そして、

①通常の人間であれば広告・宣伝メールの送信が行われることが認識されるような形で説明等が行われていること
②賛成の意思表示があったといえること

という観点から適正な「同意」が取得されているかどうかを判断するべきとされています。

ここで重要な点は、お客様が広告・宣伝を目的とするメッセージが誰から送信されるのかということを明確に認識できた上で賛成の意思表示をしたのかという点です。

例えば、利用規約などに「関連サイトから広告宣伝メールが送信される」旨の記載があった場合にお客様がこの利用規約に同意をしたとしても、当該「関連サイト」からの広告宣伝メールの送信に関しては、「関連サイト」が何を指すのか、誰が運営をしているのかが明らかではないため、適正な同意が取得できていないと判断される可能性が高いです。

このように適正な同意が取得できているのかどうかについては、実質的に判断がされることになります。

ガイドラインでは、以下のような同意の取得方法が推奨されていますので、適正な同意の取得なのかどうか不安に思われるところがある場合には、参考にしてみてはいかがでしょうか。

1)ダブルオプトイン

同意が取得できたとされる携帯電話番号やメールアドレスに対して確認のメッセージを送信して、そのメッセージを受け取った本人の操作があったことをもって、同意を確定するという方法です。

本人と考えられる者の操作を複数回確認することで、「なりすまし」などによる同意が行われることを防止するために、この「ダブルオプトイン」という方法が推奨されています。

2)デフォルトオフの推奨

これはECサイトなどの会員登録などの際に、チェックボックスにチェックを入れる形で同意を取得する場合に推奨されている方法です。

「デフォルトオン」とは、チェックボックスに最初からチェックが入っており、お客様が意識的にチェックを外した場合以外は同意が取得できたというように扱うという同意の取得方法で、「デフォルトオフ」とは、その逆で、チェックボックスには最初は空欄で、お客様が意識的にチェックをした場合のみ同意が取得できたと扱う同意の取得方法です。

デフォルトオンにより同意を取得する場合には、お客様がよく確認をせずに同意をした可能性があると考えられるため、ガイドラインではデフォルトオフが推奨されています。

もっとも、ダブルオプトインやデフォルトオフという方法を取らなかったとしても直ちに特定電子法に定められる「同意」が取得できていないということにはなりません。

ガイドライン上で推奨されている方法で同意を取得することで同意が取得できていないと判断される可能性は限りなく低くなりますが、推奨されている方法を採用しない場合でもチェックボックスを目につきやすい位置に配置をするなどお客様が広告宣伝メールが送信されることを認識できるようしておくなどの工夫をすることで、適正な「同意」が取得できていると判断される可能性が高まります。

事前の同意がなくてもSMSを送信してもいい?(オプトイン規制の例外)

ここまでSMSを活用したマーケティングを実施するためには、原則として特定電子メール法に基づきお客様から事前の同意を取得しておく必要があるというをお伝えしました。

このようなオプトイン規制にも一定の例外が存在します。この例外に該当する場合には、事前の同意を取得していなくてもSMSを送信をしても良いということになります(なお、例外に該当するとしても、他の記事にて解説している表示義務などの規制はありますので注意が必要です。)。

SMSマーケティングをする上で適用される可能性のあるオプトイン規制の例外は、

①書面により自己のメールアドレスまたは携帯電話番号を通知した者に対して送信する場合
②①以外の方法で、自己のメールアドレスまたは携帯電話番号を通知した者に対して、同意の確認をするために送信をする場合

が考えられるところです。

①と②の違いは、携帯電話番号の通知方法(メールを送信する場合にはメールアドレスの通知方法)にあります。

①は「書面」で自己の携帯電話番号を通知した場合で、②はそれ以外の方法により携帯電話番号を通知した場合が想定されています。

①書面により携帯電話番号が通知された場合には、内容に制限は特になく、事前の同意なく広告宣伝メールを送信することができます(なお、通信販売などの電子メール広告を個人に対して行う場合には、特定商取引法の適用により同意が必要な場合がありますので注意が必要です)。

一方で、②書面以外の方法で携帯電話番号が通知された場合には、送信内容に制限があり、今後のメッセージ送信についての同意を確認する内容を送信することができます。もっとも、この場合でも広告宣伝の内容を含めることはできるので、事前の同意なく広告宣伝メールを送信することができます。

なお、②の例外を使う場合に注意が必要なのは、同意を確認する内容のメッセージは一度だけしか送信することができないということです。複数回にわたって同意を確認する内容のメッセージを送信することは、オプトイン規制違反になりますので注意が必要です。

まとめ

今回は特定電子メール法の規制の中でもオプトインに関する規制のポイントをお伝えしました。

同意の取得は実質的に判断されるので、自社としては同意を取得しているつもりでも実は適正な同意が取得できていなかったということもありますので、この機会に見直されてみてはいかがでしょうか。

また、あまり触れられることがないオプトイン規制の例外についてもお伝えしました。リアルの店舗を運営されている会社などでは書面で携帯電話番号を取得していたり、予約を受ける際に携帯電話番号を取得することもあるので、例外規定を利用することでSMSマーケティングに携帯電話番号が活用できる可能性があります。

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